非日常とか書きながら日常的な事しか起こりません
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お知らせ報告&小説のトップページ!
2037-12-30 Wed 00:00
注)この記事はトップ記事です!


どうもこんにちは、このブログの管理人「ワッフル」です。

ここでは、日々の日常を黙々と書いていく誰得なブログです。

基本的にどうでもいい事を呟いていますが、よろしければゆっくりしていってください。

(ここから下は、お知らせ事項等) 最終更新日 2015/04/13

夢の四桁達成!!
こんなブログに来ていただきありがとうございます!
みんなゆっくりしていってください!

何を血迷ったのかニコニコ動画に「ゆっくり実況プレイ」をあげています。
ぷちだんLO実況part1



(お知らせ事項終わり!)
(ここから下は共同小説の話です) 最終更新日 2015/04/13

ここでは現在、友人の「rop」さんと協力して製作中の小説、
「星の降る夜に」のお知らせや各話に飛べるリンクを貼る場所です。
小説は書いたこと無く、まだまだ未熟ですが、
どうか温かい目で見守っていただければ幸いです。

注)スマートフォンから見られる場合は、画面を横向きにした方が見やすいかもしれません。
タイトル
(絵はブロ友の「うさんこ」さんが描いてくださいました)

メインキャラ紹介
プロローグ
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
第七話
第八話
第九話
第十話

只今第十一話を製作中…



いつまでもブロとも募集中だよ!
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「星の降る夜に」 第十話
2015-04-13 Mon 15:19
~第十話~
【怯えた心<後編>】

現在時刻 【20XX/04/18(水)17:10】


午後五時を過ぎた夕日が室内を照らす中、結祐の祖母は入れたてのお茶を飲んでいた。

「ふぅ……やっぱりお茶は落ち着きますねぇ」
「それにしてもあの子、少し遅いわね……大丈夫かしら」

いつもより帰りが遅い結祐を心配しながら、もう一度お茶を飲もうと湯飲みに手を伸ばした瞬間、
湯飲みは小さな音を立てて割れ目が入った。

「あら……あの子に貰った湯飲みが……」
「……結祐……」

不意に窓に目をやると、外は夕日が町全体を照らしていた。
その光景はどうしようもなく綺麗で、どうしようもなく、気味が悪かった。



「よし、そのまま動くなよお前ら!」

ナイフを桜衣の首に近づけたまま、男は屋上の駐車場へと続くエレベーターに近寄る。
結祐はどうにか桜衣を助けようと考えるが、全く良い案が思い浮かばなかった。
そうこうしているうちに、男はエレベーターに乗ってしまい、緊張が解かれた周囲の人々はざわつき始めた。

「お、おい、誰か警察は呼んだのか?」
「それが、もう近くまでパトカーが来てるみたいで」
「あの男……もしかして朝のニュースでやってた……」
「私達これからどうすれば……」
「あの子のこと心配だけれど……私達じゃどうしようも……」
「下手にあの男を刺激したら余計にあの子が危険だ」

人々は言葉は出るが、誰一人その場から動くことが出来なかった。
ただ一人を除いて……

「……くそっ! 桜衣!」

結祐だけは、急いで階段に向かった。

「おい君! あの男を追っちゃだめだ! ここは警察に任せて……」

付近の人の制止を振り切って、結祐は階段を上る。

(そんな悠長に待ってられるか……!)

結祐は心の中で焦りを感じつつ、男が向かった屋上へと向かった。


「ハァ……ハァ……」

階段を上りきり屋上へついた結祐だが、普段の運動不足のせいで息切れを起こしていた。
付近を見渡しても男の姿はなく、外へ出て行ったのが伺える。

「あいつ……どこだ……」

屋上には車が一台もなく、外へ出ればすぐに男を見つけられそうだった。

ふらふらとおぼつかない足取りで外へ出て、男を捜す。


男は桜衣を抱えたまま身を乗り出して、地上の様子を見ていた。

「っち……警察のやつら、もう追いついてきやがったのか」
「譲ちゃんには役立ってもらうぜぇ? 俺がここから無事に逃げられるようによ」

「く、うぅ……」

男は桜衣の首筋にナイフを近づけ桜衣を脅す。
桜衣が首筋に迫ったナイフを見ないように目を閉じている時、ふと背後から声が聞こえた。

「ハァ……ハァ……おいお前、桜衣を今すぐ離しやがれ……」

「あぁ?」

男は声がした背後に振り返る。
そこには息切れを起こしながら男を睨んでいる結祐がいた。

「なんだてめぇ? ……こいつの知り合いか?」

「ゆ、結祐君!?」

いざ男と対面した結祐だったが、ナイフを持った男が自分を見ているという事実を前に
足が竦んで一歩も踏み出せないでいた。
そんな結祐を見て、男はケラケラと笑い出した。
そうして一歩ずつ結祐に近づいていく。

「はははっ! なんだお前、威勢よく出てきたわりには随分震えてるじゃねぇか」
「俺はよぉ、力もねぇくせにかっこつけるやつが大嫌いなんだよ!」

結祐の目の前まできた男は、結祐を思いっきり殴り飛ばした。

「ぐはっ!?」

「やめて! 結祐君に酷いことしないで!」

「おめぇもうるせぇな……人質は黙ってりゃいいんだよ!」

男は桜衣に怒鳴りつけたところで、ふと考えるように手を顎に当てた。

「……お前ら随分仲よさそうじゃねぇか?」
「そうだな……よし、人質変更だ」

男はそういうと桜衣の胸にナイフを近づける。

「え?」

「……っ!? おい! なにしてんだお前、やめろ!」

男の突然の行動に嫌な予感がした結祐は、大声で男を止めようとする。

「何って人質の変更だって言っただろ?」
「今度の人質はお前で、もうこいつは邪魔だから死んでもらうんだよ」

「意味わかんねぇよ! なんのためにそんなこと……!」

「何のため? そんなもん唯の憂さ晴らしだよ」
「目の前で仲の良いやつが死んだら、さぞ面白い顔を見せてくれそうだからなぁ」

男はニヤニヤと笑い、桜衣にナイフを突きたてようとする。

「ひ……や、やめて……!」

桜衣は必死に逃げ出そうとするが、男の腕力に敵うはずもなく押さえられてしまった。

「おいおいあんまり暴れんじゃねぇよ。 一瞬で殺しちまったら楽しめねぇだろうが」

夕暮れに照らされた男の顔は、酷く醜く歪んで見えた。


(どうする……どうすれば……)

結祐は現状を打破する作戦を必死に考えたが、桜衣が押さえられてるのでどんな作戦も無に等しかった。
男に殴られて跪いている状態では、何をしようとしても無駄……
結祐は、そんなどうしようもない現実を受け入れそうになったのを必死に否定する。

(どうすればいいんだ……母さん……)

結祐の心の中に母の姿が浮かび上がる。
その時、一羽の鳥がデパートの近くの公園に生えている巨大な木のてっぺんに止まったのが見えた。
その鳥はとても綺麗で珍しい青い鳥で、夕暮れに浮かび上がる一つの星のようにも見えた。

(……鳥……)

その瞬間、結祐には一秒がとても長く感じた。
周りの動きが遅く見え、結祐の頭に冷静さを取り戻させる。
たった一つ、桜衣を救うための方法が結祐には見えた。

(……そうだ、あれなら……あれなら桜衣を救える……)

だが、その方法を実行しようとしても結祐の心には一つ引っかかっていたものがあった。

(……また俺は、あれを人に使うのか……)
(悪人だろうと人だ……母さんと同じ、人間……)
(でも、こうしないと桜衣が……それなら俺は……俺は!)

結祐は前を見定める。
その視界には醜い人間と一点の希望の青い鳥、そして……守りたい女の子が映っている。

「じゃあなぁ、元人質の譲さんよ」

「い、いやぁぁぁぁ!!」

男が桜衣をがっちり押さえて再びナイフを突きたてようとした瞬間
カランッという乾いた音と共に桜衣は床にしりもちを付いた。

「きゃ! ……え?」

桜衣の目の前には、さっきまで男が握っていたナイフが落ちていた。
そして……

「ピーッ!」

「え……な、なに!?」

桜衣の頭上には青い鳥が止まっていた。
青い鳥は、驚いたように鳴きながらどこかへ飛び去っていった。
さっきまで桜衣を押さえていた男はというと、影も形もなくなっていた。

「えっと……一体何が……」

ふと桜衣は結祐の方を見ると、結祐は安堵のため息をしていた。

「無事……か? 桜衣」

「う、うん。 私は大丈夫だけど……」
「あの男の人は……?」

「ああ、あいつなら……」

そういって結祐はさっきまで青い鳥が止まっていた巨木のてっぺんを指差した。
そこには何か大きな声で叫んでいる男が木にぶら下がって身動きが取れなくなっていた。
桜衣は、頭をフル回転されて先ほど起こった超常現象について考える。
桜衣の頭には、ここ最近ずっと悩まされている一つの単語が浮かび上がった。

「……能力者……もしかして結祐君が?」

「……今まで黙ってて悪かった……こんな変な力持ってるのなんて知られたくなかったんだ……」
「それに、本当は忘れようともした……俺はこの力で母さんを……」

言葉を言いかけた結祐を桜衣はぎゅっと抱きしめた。

「ぅえ!? あ、あ、桜衣!?」

「ありがとう結祐君……」
「それに、ごめんね。 私なんかの為に辛いことをさせちゃったみたいで……」

「桜衣……うぅ……」

結祐の目からひとすじの涙が流れる。

「うぅ……私なんかの為、なんて言うなよこの馬鹿野郎……もう少し自分を大切にしろよ……」

「ごめんね……結祐君……本当にありがとう!」


ひとしきり泣いた後、二人は遅れて屋上に来た警察に保護され、無事に家に帰ることが出来た。
しつこく警察に色々聞かれたが、何を言っても信じてもらえないだろうということで二人は知らないで通すことにした。



次の日の帰り、結祐は母親の病室を訪れていた。

「母さん……俺さ、また使っちゃったよ」
「もう二度と使うもんかって決めてたのに……」
「母さんを事故に巻き込んじゃったこんな力なんて、忘れようとしてたんだけど……」
「……でもさ、俺、助けられたよ」
「凄く大事な人をさ……」
「……もちろん俺が母さんにやったことは、許されることじゃないことは分かってる」
「俺を恨んでもらったってかまわない。 だけど、俺はこの力に向き合うことにしたよ」
「大切な人を守る為に……」

結祐はそう言い、病室を出ようと扉に手をかけたとき、何かが聞こえた気がした。
振り返ってみても特に変わった様子はなく、母親が起きたわけでもなかった。
ただ、結祐には母親の表情がいつもより和らいで見えた。
恨んだりなんかしない、自分が決めた事を一生懸命頑張りなさいと後押しされた気がした。

「……なわけないか……」

結祐はふっと息を吐き、いつもより少しだけ明るい表情で病室を後にした。

『がんばってね、結祐』

病室の室内を、今日も綺麗な夕日が照らしている。



第十一話へ|第九話へ
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「星の降る夜に」 第九話
2015-04-05 Sun 22:26
~第九話~
【怯えた心<前編>】

現在時刻 【20XX/04/18(火)08:00】


『今朝未明、有幻商店街で10代の女の子の遺体が発見されました』
『女の子は刃物のようなもので腹部を刺されており』
『犯人はいまだに捕まっていないということで……~』

「あらやだ……物騒ねぇ」

「ばあさんも結祐も何かあったらわしに言うんだぞ。 直ぐに助けてやるからな」

「分かってるよ」

結祐はテーブルに出されたばかりの出来立てのパンをかじりながらそう答えた。

「それじゃ、行ってきます」

「いってらっしゃい結祐」

結祐が外へ出た後、老夫婦はため息をつく。

「私達じゃ、何もしてあげられないのでしょうか……」

「仕方ないさ。 目の前で母親が事故にあったんだ」
「あいつの心が落ち着くまで、見守るしかない」

「でも私は、あの子にはもっと笑っててもらいたいです……」

「わしだってそうさ。 元々無愛想なやつだが、今のあいつは見ててこっちが苦しくなる」
「何か、あいつの元気を取り戻す方法があればいいんだが……」

老夫婦はそんな会話をしながら、学校へと向かう結祐を窓から見送っていた。



「では、何も質問がなければ本日はここまでとします」
「起立、礼!」

「「さようならー!」」

今日の全ての授業が終わり、クラスの大半が他の生徒と話し合ったり部活動に向かう中、
結祐は直ぐに帰り支度をすませ、教室を出た。

学校の校門を抜けた結祐は、家に帰る道とは逆方向に向かった。
その先には町で一番大きい総合病院が見える。

病院に入り面会の手続きを済ませた結祐は、3階の隅にある部屋に入る。
そこには一人の女性が横たわっていた。

「母さん……」

結祐に母と呼ばれた女性は、目を覚ますこともなく静かに呼吸を続けている。

「母さん……ごめん、ごめんなさい……」

夕暮れ時の病室に、ひとすじの涙が落ちる。



「うーん、少し遅くなっちゃったなー」

今日も無事に一日を終え、少し疲れたといった表情の桜衣がとぼとぼといつもの帰り道を歩いていた。

「あ、そうだ! 携帯のバッテリーを買いに行くんだった!」
「忘れちゃうところだった……急いで買いにいかなくちゃ!」

桜衣がデパートに向かう途中、病院の前を通ると中から結祐が現れた。

「あれ? 結祐君?」

「あ、桜衣……!?」

桜衣を見た結祐は凄く驚き、戸惑いを見せた。

「結祐君…病気なの?」

「いや、そうじゃなくて……」

結祐は少し息を詰まらせながらも、口を開いた。

「……実は、母さんが入院中でさ……そのお見舞いに行ってたんだ」

「え、結祐君のお母さんが?」

「そう……桜衣こそどうしたんだ? 家はこっちじゃないだろ?」

「えっと、私の携帯のバッテリーが古くなっちゃったから、新しいのを買いにデパートに……」
「でも、どれが私の携帯のバッテリーか分からなくて……」
「そうだ! もしよかったら結祐君、一緒に買うの手伝ってくれる?」

「ん、ああ別にいいけど」

「それじゃ、行こっか!」

桜衣と結祐は、近くにある町一番の大きなデパートに向かった。



平日なこともあり、デパートの中はそこそこ空いていたので桜衣達は目的の場所にすぐに辿り着けた。

「うーん、同じようなのがいっぱい……」

「お前、俺に会わなかったらどう選ぶつもりだったんだ……?」

「それは、その……店員さんに聞こうと……えへへ」

「頭がいいのはすげぇけど、機械とかは案外だめなんだな」

「うぅ……手厳しいね……」

「まあいいや、桜衣の携帯なら……っとこれだな」

結祐は手に取ったバッテリーを桜衣に渡した。

「ありがと! やっぱり結祐君は頼りになるね!」

「……とりあえず買ってこいよ。 俺はトイレに行ってくるから」

「うん!」

桜衣がレジに向かうのを確認した後、結祐はトイレへと向かう。


トイレの洗面台で結祐はため息をついていた。

「頼りになる、か……そんなこと、あるわけない」
「俺は、母さんを……」

結祐がトイレから出ようとすると、外が妙に騒がしいことに気づいた。

「……なんだ、随分うるさいな」

結祐がトイレから出てくると、そこには……


「お前ら全員その場から動くな! さもないとこの娘を殺すぞ!」

「……は?」

大柄の男がナイフを片手にレジの近くで叫んでいた。

「な、なんで……」

「結…祐君……!」

そこには男に拘束されている桜衣の姿があった。


第十話へ第八話へ
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おひさしぶりです
2015-03-08 Sun 19:42
本当にお久しぶりです……!
そして小説遅くなってしまって大変申し訳ありません!
他のことを色々しているとどうにも後回しになってしまって……
やはり続けることって難しいですね。

このブログも中々戻ってくるタイミングが掴めず……
ただ、見てくださってる方の為にまた再開してみようと思います。
といっても特に意味のない日記みたいになりそうですが……

ちょっと愚痴みたいになってしまいましたかね。

とにかく、こんな私ですがまたよろしくおねがいします!
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「星の降る夜に」 第八話
2015-03-08 Sun 13:04
~第八話~
【果たし状】

現在時刻 【20XX/04/17(月)08:40】


「っとっと……後五分か、ギリギリセーフだな」
「全く親父のやつ、何が今日からこの服を着ていけ、だ……しかも完成するまで少し待てって……」
「見た感じ普段と変わらねぇし一体なんだって……ん?」

来夏は上履きに履き替えようと自分の下駄箱を見たら、中に何か紙のようなものが入っているのを見つけた。


……出席確認が終わり一時間目が始まる前、桜衣は珍しく遅刻しそうになった来夏の元へ行き、訳を聞きにいった。
最近の出来事の影響で、桜衣は小さな事でも何かあったんじゃないかと心配するようになっていたのだ。
一方、そんな桜衣の心配をよそに来夏は一枚の紙を片手に頭を悩ませていた。

「来夏ちゃん、どうかしたの?」
「あぁ、桜衣……なあこれ、読めるか?」

そう言って来夏が持っていた紙を桜衣に渡した。

「え、手紙? えっと……果たし……壮?」

来夏に渡された紙には、デカデカと『果たし壮!』と書かれていた。

「……これ、もしかして果たし状? 漢字間違ってるけど……」
「ああ、多分な。朝、下駄箱に入ってたんだ」
「それで、裏にも色々書いてあったんだがそっち見てくれるか?」
「う、うん」

言われた通り裏面をみると、何かが書かれていた。
しかしその文字は到底理解できないぐらい下手で、辛うじて場所と時間が分かる程度だった。

「放課後、剣道場に一人で……ごめんね来夏ちゃん、他のところはさっぱり分からないよ……」
「おぉ、それだけ分かれば十分だ。 俺なんてさっぱり分からなかったぜ」
「それにしても果たし状って……来夏ちゃん、もしかして行くの?」

桜衣が心配そうに尋ねる。

「まぁな。 無視して逆恨みされても困るしさ」
「うーん、でも……」

桜衣が言おうとした言葉は、一時間目が始まるチャイムで掻き消されてしまった。

「大丈夫だって。 やばそうだったら逃げるからさ」
「う、うん……気をつけてね?」
「おう」

桜衣は納得出来なかったが、来夏に任せることにした。


……放課後、他の生徒が帰宅したり部活動に向かう中、来夏は手紙に書かれていた場所に向かっていた。

「しっかし本当に下手くそな字だな……名前が書いてあろう場所も全く読めん」
「……今日は暑いな、さっさと用事済まして早く帰って風呂にでも入るか」

来夏が体育館の隣にある剣道場へたどり着いた頃には、夕方になっていた。

「着いた……が、誰もいないし」

剣道場の中には、特に変わった点もなく誰もいなかった。

「……早く着きすぎたのか?」

来夏が剣道場から出ようとすると入り口の扉が大きく開かれ、外から白髪の少女が現れた。
少女は来夏を見るなり声にならない悲鳴をあげ、大きく仰け反った。

「な……ななななな何でもういるのさ!!?」
「俺を呼び出したのはお前か? 何でいるってお前が呼んだんだろ……」
「ぐぐぐ……しょうがない、そこで少し待ってろよー!!」

少女はそう言って剣道部の倉庫に入っていった。
来夏が言われた通り少女が出てくるまで待っていると、しばらくして少女が竹刀二本と面などの剣道具を取り出してきた。

「……よし、灯空来夏!! 私はお前に決闘を申し込むぞ!!」
「積年の恨み……今こそ晴らすとき!」

声高々にそう宣言して、少女は来夏に竹刀と剣道具を渡した。

「……決闘、ね。 理由ぐらいは聞かせてくれるんだろうな?」
「うん? それなら果たし状の裏に事細かーく書いといただろう」
「ああ、あの虫が潰れたような文章か……こう言っちゃ悪いが、もう少し字を書く練習したほうがいいんじゃないか?」
「な!? も、もしかして読めなかったのか!?」
「あれを読めるやつがいたらこの目で見てみたいぜ」

少女は髪を弄りながら小声で「苦手なんだもん文字書くの……」と言った。

「……ってそんなことはどうでもいいのだ! 試合でお前に負けたときから、この日をずっと待ちわびていたぞ!」
「試合に……? あぁーなんとなく思い出したぜ。 そういえば去年ぐらいに剣道の試合で戦ったな」
「名前は確か……玲奈だったか?」
「今まで気づいてなかったのか!? こんなクールビューティーな顔を忘れるなんて……」
「どこがクールでビューティーなのか知らんが、試合なら受けて立つぜ」

来夏は剣道具を着け、竹刀を構えた。
対する玲奈は不敵に微笑んでいる。

「ふっふっふ……そう余裕ぶっていられるのも今のうちさ……私には秘密の作戦があるのだからな!」
「あん? 作戦?」

玲奈も剣道具を着け竹刀を構えた時、来夏は妙なことに気づいた。

(なんだこの感じ……寒い?)

日が沈み始めているとはいえ、今はもう4月。
それに今日は雨も降ってなく、剣道場に来るまではむしろ暑かったはず。
それなのに来夏は今、寒さを感じていた。

「ふふ……どうした? 少しばかり震えている気がするぞー?」
「……なんでもねぇよ」

玲奈と来夏は互いに相手の隙を探る。
一瞬でも隙を見せたら直ぐに勝負が決まるような緊迫した状況だ。
そんな中、剣道場の窓が風によってガタガタと音を鳴らした。
玲奈は一瞬だけ窓の方に注意が逸れてしまい、その隙を逃さず来夏は竹刀を面に当てようとした……が。

「……なっ!?」

一歩踏み込んだと思った来夏の足は、全く動かなかった。
正確には、動かせなかった。
来夏の足のすねから下は、いつの間にか氷が纏わりついていた。

「なんだよ……これ!? 」

その場でもがいてみるが、足が氷に固定されてしまっていて全く動かせない。

「くくく……どう? 驚いたでしょ?」
「お前、まさか……」

来夏の脳内には能力者という言葉が浮かんでいた。
朝、桜衣と交わした会話が脳裏に浮かぶ。

(桜衣の予感はよく当たるな……どうしたもんか……)

「ある日突然目覚めたこの氷を操る力……きっとお前を打ち負かすために天が与えてくれたのさ!」
「これでお前は身動きが取れない……私の勝ちだな!」

そういって笑っている玲奈を他所に、来夏はある考え事をしていた。

「……お前が能力者なら、こっちもそれ相応の対応をするぜ」
「んー? そんな状態で何をする気だい? ろくに足も動かせないだろう?」
「最初は驚いたけどな。 お前の力が氷なら……」

来夏はそういって身体に力を混めた。

(あの時と同じように……そうすればきっと……)

「全く何も出来ないくせに冷静ぶっちゃ……って……え?」

玲奈は目を疑った。
来夏の足を押さえていた氷がみるみる溶けてしまっていたのだ。

「な……ななななな何してんの!? ていうか、え!? なんで私の氷が!?」
「ていうかお前足から火が……」
「……勝ち誇ってたとこ悪いが、天は俺にも力をくれてたんだよ」
「そ、そんな……!?」

来夏は一歩ずつ玲奈に近づく。

「さて、試合続行だな」
「ちょ、ちょっとまって! 頭の整理が追いつかないって! 一旦落ち着こう!?」
「ほ、ほら、こんな力なんて使わずに最初っからもう一回やり直して……」
「……最初に仕掛けたお前が、言うなぁー!!」

剣道場に、面ッ!っという声と共に大きな音が響き渡った。


「それにしても、まさか能力者に決闘申し込まれるとはな……」

玲奈は来夏に面を打たれた後泣きながら、覚えてろぉぉぉ!!と叫びそそくさと逃げてしまった。

家に帰る途中、来夏は自身の能力について考えていた。

「火……か。 どういう原理か知らないが、実感沸かねぇなー」
「火出してる時は別に熱いわけじゃないし、変な感じだ」
「でも今回のことで感覚は掴めたな」

「……そういえば今回は服、燃えなかったな」

来夏は自分の服を見る。
そこには焦げた跡一つなく、綺麗なままだった。

「この服……防火服にでもなってんのか?」
「親父のやつ、もしかして俺の能力の事を……」

来夏は色々考えを巡らせていたが本人に聞いた方が早いと判断し、ついでに早く風呂に入るために急いで帰宅した。


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