非日常とか書きながら日常的な事しか起こりません
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「星の降る夜に」 第二話
2013-06-24 Mon 22:50
~第二話~
【能力者】

現在時刻 【20XX/04/04(火) 09:00】 学校への通学路


「……はぁ」
学校へ登校中の桜衣は小さくため息を吐く。
いつも一緒に登校している来夏の姿は今日は見えない。
昨日の事もあり、今日は学校を休んでいるようだ。

「来夏ちゃん、大丈夫かなぁ……」
桜衣は昨日あった事を思い出していた。
爪を自由自在に伸び縮みさせる男子生徒、体から火が出ていた来夏。
どちらも夢のような信じがたい出来事だった。

そもそも何故、急にそんな事が起こり始めたのか。
桜衣はどれだけ考えても答えを導き出せなかった。

考え事をしながら歩いていた桜衣は、突然肩に手を触れられた。
「ひゃい!?」
桜衣は突然触られて飛び上がるように驚いた。
驚いた桜衣に驚いたのか、手を触れた人物は少し吃驚した表情をしている。

「……随分元気な挨拶だね。 少し驚いたよ」
「わ、私も驚きましたよ天岳先生!」

天岳先生と呼ばれた女性は、若干申し訳なさそうな表情をした。
「それはすまなかったね。 でもそのまま歩いていたら塀に激突していたよ?」
「え?」
桜衣が前を向くと、目の前には民家の塀があった。

「あ……」
「考え事をするなとは言わないが、ちゃんと回りを見た方がいいと思うぞ?」
「……すみません、先生……」
桜衣は恥ずかしさのあまり、俯いてしまった。

天岳先生と軽い雑談をしながら学校に着いた桜衣は、
生徒用の下駄箱に向かおうとしたら、後ろから天岳先生に呼び止められた。

「そうだ桜衣君。 忘れるところだったが、昼休みに部室に来てくれないか?」
「え? 部室へですか?」
「そうだ。 少し話があるのでね」
「分かりました」
じゃあ昼休みにねっと言って、天岳先生は職員室へ向かっていった。

出席確認が始まる五分前に桜衣が教室に着くと、
昨日は居なかった幼馴染の椎葉結祐が席で寝ていた。
「結祐君? もうすぐ出席確認が始まっちゃうよ?」
そう桜衣が言うが、結祐は起きそうにない
「……結祐君ー、早く起きないとゲームのデータ消しちゃうよー」
桜衣が結祐の耳元でそう呟いた瞬間、結祐は跳ね起きた。
「や、止めろ桜衣!……って、あれ?」
「えへへ、おはよう! 結祐君!」
「あ、桜衣……もうこんな時間だったのか……」
「もう、出席確認始まっちゃうよ?」
桜衣がそう言った瞬間、教室に担任の先生が入ってきた。

……出席確認が終わって、桜衣は結祐の席に近づいた。
「結祐君? 少し時間いいかな?」
「ん……どうした?」
「その、もう体調は大丈夫なの?」
「あ……ああ、もう大丈夫だぜ?」
結祐はそう言うが、桜衣には結祐が無理をしているように見えた。
「そう……それならいいんだけど……」
「俺が休んだ事より、来夏がここにいない事の方が珍しい気がするけどな」
「何だ? あいつも体調崩したのか?」
「え!? あー……来夏ちゃんは熱出ちゃったんだって……」
桜衣は突然来夏の事を聞かれて思わず嘘を付いてしまった。

「……あいつが熱……本当に珍しい事もあるんだな」
結祐は少し疑問に思っていたが、
授業開始のチャイムが鳴ったので直ぐに授業の準備を始めた。

給食を食べ終わって昼休みになったので、
桜衣は天岳先生のいる部室【天文研究部】に向かった。
「部室に行くの久しぶりだなー」
桜衣は、終業式の前まで通っていた部室を懐かしみながら部室の扉を開けた。

「失礼しまーす」
桜衣が扉を開けると、部室では天岳先生が紅茶を飲みながらのんびりしていた。
「やあ桜衣君。 紅茶飲むかい?」
「いや、私が飲んだら他の先生に怒られるじゃないですか!」
「そうかい? どうせばれないと思うけどね」
そう言って、天岳先生はイスに腰を下ろした。

「まあ、座りなよ」
「あ、はい」
桜衣が座ったら、天岳先生は紅茶が入っていたカップを置いて話し始めた。

「話っていうのはだね……昨日の事なんだが」
「……やっぱりその事ですか」
桜衣は、何となく分かっていた。
昨日あれだけの事件が起きたのだ。
聞かれないはずが無いと。

「まあ分かっているよね」
「昨日、君が見た事を詳しく話してくれるかい? ……もちろん、来夏君の火の事もね」
「え!?」
桜衣は驚いた。
まだ来夏に何があったのか誰にも話してなかったからだ。

「来夏君の事は今日の朝、電話で本人に直接聞いたよ」
「あんまり詳しくは覚えてなかったらしいけどね」
「そ、そうだったんですか……」
桜衣は納得して、ゆっくりと昨日の事を包み隠さず話した。

「……なるほどね……それで彼女も能力者に……」
「え? 能力者? 」
「ああ、私がそう勝手に呼んでいるだけだよ」
「そうなんですか……」
「でも、今回の事は私も詳しくは分かりません……何せこんな事初めてですから……」
「そうだろうね。 だが、分かっている事はあるよ」
そう天岳先生は言った。

「え? 何か分かっているんですか!?」
「桜衣君、一昨日の星くず祭に参加したかい?」
「え……あ、はい。 来夏ちゃんと参加しましたけど……」
「それならあの光を見ただろう?」
「あの光……」
桜衣は一昨日にあった事を思い出した。
そう、あの祭りの日にあった出来事を……

「……はい、見ました。 それが何か関係あるんですか?」
「大ありだね。 寧ろそれが原因だろうしね」
「原因って、今回の事件のですか?」
「ああ。 まあ、事件は今回だけじゃないだろうけどね」
「今回だけじゃない……?」
まあそれは置いといて……っと先生は言って話を続けた。

「……あの日、青い光の粒が降ってきただろう?」
「確かに結構降ってきてました」
「その時、来夏君は粒に触れていたかい?」
「……はい、確かに触れてました。 それが原因なんですか?」
「そうだろうね。 私もあの粒を調べてみたんだが……」
「あの粒は人の体内に住み着いて、その宿主の奥底に眠る力を引き出す効果があるらしいね」
「宿主の奥底に眠る力を引き出す?」
「そう、その証拠に昨日問題を起こした男子生徒の体内から粒の反応が出たしね」

そんな夢みたいな事を黙々と話す天岳先生。
「生き物っていうのは、どんな力を持っていても不思議じゃないからね」
「でも、いくらなんでも……」
「私だって信じたくないが……信じるしかないだろう? 実際に目の前で起こっているんだからね」
「そう、ですけど……」
桜衣は受け入れがたい真実を前にして混乱していた。

もしあの青い光の粒が原因なら、一体どれだけの人が能力者になったのだろう。
それに桜衣自身もあの粒には触れているのだ。

「ただ、能力が覚醒する【時】は人によって違うようだけどね」
「その覚醒した能力は消せないんですか?」
「難しいだろうね。 あの粒は人が本来持っている力を引き出しただけだから……」
天岳先生が喋っていると、部室の扉が勢いよく開いて一人の生徒が駆け込んできた。

「天岳先生! た、大変です!」
「……騒がしいな。 どうしたんだい?」
「そ、それが口で説明するのが難しくて……とにかく来て下さい!」
生徒は天岳先生を引っ張って行ってしまった。
桜衣は嫌な予感がして、後を付いて行くことにした。


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